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プロジェクトストーリー

津市久居アルスプラザ

津市久居アルスプラザ

Project Member

  • 津市久居アルスプラザ

    井野 優 INO MASARU

    建築部 工事課

  • 津市久居アルスプラザ

    中瀬 忠典 NAKASE TADANORI

    建築部 工事課

人々の思いをカタチへ。
“地域の声”から生まれた
「津市久居アルスプラザ」

津市の文化芸術の振興をリードする拠点施設として、2020年10月にオープンした「津市久居アルスプラザ」。
人々にとっての集い・憩い・交流の場であり、地域の新たなランドマークとしての役割も担っている同施設の建設プロジェクトが始まったのは2018年のこと。
その中心メンバーとして活躍した社員2名に、当時のことを振り返っていただきます。

津市久居アルスプラザ
SECTION 01

「もっと地域を盛り上げたい」。
予算規模50億の
ビッグプロジェクトが始動。

津市久居アルスプラザ

今回のプロジェクトの概要について教えてください。

井野:まずプロジェクトの始動背景として、2006年におこなわれた旧津市や旧久居市をはじめとする10市町村の合併が挙げられます。それにより現在の津市が誕生したのですが、当時、旧津市には文化ホールがあり、久居地区には同様の施設がありませんでした。

中瀬:そんな中、久居地区を中心とした地域の方々からの強い要望があり、それに応える形で今回のプロジェクトが立ち上がったと聞いています。そのため、通常の工事に比べて当初から注目度は高かったですね。

井野:規模も大きいですしね。電気・設備工事も含めると予算50億のプロジェクトですから。ちなみに、三重県の公共工事では請負金額が一定額以上の場合、共同企業体(JV)による施工が義務づけられています。そのため、当社と同じ三重県津市に本社を構える地元の建設会社とともに工事に臨みました。

中瀬:1つのプロジェクトに複数企業が携わるため、工事を進めるにあたって最初におこなうのが組織編成です。今回は工事所長を筆頭に、工事部門・工務部門・事務部門でチームを編成。私と井野さんは工務部門を担当しました。その中で、個人的に任されたのが建築設計図を施工図へと換えていく作業。建物の大きさや間取り、電気設備や機械設備などが書かれた設計図面に対して、さらに細かい寸法や使用材料などを書き込むことで実際の施工現場で使用できるように詳細図面として仕上げる仕事です。

井野:私は原価管理や施主・設計・近隣対応といった図面以外の部分を担当しました。通常の工事であれば、私と中瀬さんの担当業務を含めて一人で受け持つケースが多いのですが、今回はプロジェクト規模を考慮して中瀬さんが図面作業に集中できるよう作業分担した形ですね。

津市久居アルスプラザ

プロジェクトに抜擢された時の
率直な思いを教えてください。

井野:光栄の一言に尽きますね。何といってもビッグプロジェクトですから。当然、相応の責任をともなうわけですが、それ以上に喜びの方が大きかったことを覚えています。

中瀬:同感です。ただ不安がなかったかといえば嘘になるかもしれません。今回、私は図面担当としてプロジェクトに参加しましたが、建築パースを見た瞬間に意匠デザインに対する並々ならぬこだわりを感じました。心の中では「これは難しいぞ」と。

井野:中瀬さんが図面担当に指名されたのも、その“難しさ”が大きく関係していると思います。上層部から直々に指名があったのは、今までに100億規模のプロジェクトに参加した実績や、そこでも図面チェックを担当した中瀬さんの経験に期待をしていたから。これは裏話ですが、実は今回のプロジェクトに最初にアサインされたのは中瀬さんなんです。

中瀬:そうなんですか?嬉しいです!

井野:客観的に見ても、津市久居アルスプラザは文化ホールという特性上、設計の部分において難易度の高い案件ですからね。だからこそ、まずは経験・実績ともに豊富な中瀬さんを、という考えだったんだと思います。

SECTION 02

「意匠デザイン」と
「使いやすさ」。
相反する要素を融合するべく、
試行錯誤の日々。

津市久居アルスプラザ

着工前から難航が予測されたプロジェクトですが、何か意識したところはありますか?

井野:もっとも重視したのはコスト面と安全面の管理です。いくら良い建物を造っても、予算を大幅に超えてしまっては意味がありません。また、工事現場は常に危険と隣り合わせです。作業員の命を守るためにも、安全に工事を進めることは絶対条件ともいえます。逆にいえば、どの建物にもこれらの条件が当てはまります。

中瀬:私も普段の工事では井野さんと同じ役割を担うことが多いので、その点については同感ですね。そのうえで、今回のプロジェクトにおいて図面を中心に担当した立場からいうと、その建物が果たす役割・意義という部分を意識しました。たとえば、住宅であれば「住みやすさ」とかですね。津市久居アルスプラザは、さまざまなイベントでの利用が想定されている施設だったので「使いやすさ」に重きを置いていました。

井野:ただ、それと相反するのが意匠デザインなんですよね。

中瀬:はい(苦笑)。使いやすさを意識しつつ、意匠デザインへのこだわりをどこまで落とし込めるか。そのバランス調整が本当に大変でした。

津市久居アルスプラザ
津市久居アルスプラザ

今回のプロジェクトを進めるうえで、
もっとも苦労した点を教えてください。

井野:設計担当者の要望通りにすべてを進めていくと、予算・納期ともにオーバーしてしまうことは明らかでした。その理由のひとつが、先ほども話した細部にわたる設計へのこだわりにあります。

中瀬:ただ設計が複雑なだけではなく、使用する材料から備品の選定まで「こんなホールにしたい」という設計担当者の思いやこだわりが至るところに散りばめられていましたね。

井野:そのため、通常の役所物件に比べて実際に施工が進行した後の変更点が多く、原価管理の立場としてもずいぶん頭を悩ませることになりました。また、設計内訳の数量と実数量との相違も多く、その都度、設計担当者、監理者、市担当者と何度も話し合いをしながら解決策を探っていきました。それがすべてのフェーズで発生するわけです。設計も現場も、言ってみればお互いにプロの職人ですから、折り合いをつけるのもひと苦労。最初から最後まで設計と現場との間で板挟みの状態でした。図面担当である中瀬さんの負担も大きかったと思いますが、どうですか?

中瀬:そうですね。私自身、今までに同規模あるいはそれ以上のプロジェクト経験はありますが、文化ホールの建設は初めての案件でした。音響の問題なども考慮しなければいけないので、ただ建物を仕切って空間をつくればいいという単純な話ではありません。「設計段階での寸法のまま施工に入っても構造上の強度は大丈夫なのか」「そもそも材料自体を調達できるのか」など、次々と現れる課題を一つひとつクリアしていきました。

井野:意匠デザイン以外の設計図も個別の担当者から送られてきますしね。当然、すべての設計図の整合性も加味する必要があります。

中瀬:はい。さまざまな条件や要素を組み合わせながら施工図へと仕上げる大変さは、今まで経験した仕事のなかでも非常に難易度が高かったですね。

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SECTION 03

地域を彩る新たなランドマークが誕生。
手にしたのは「未来に残る仕事」への達成感と充実感。

津市久居アルスプラザ

そんな大変なプロジェクトですが、無事に工事を終えることができた要因は?

井野:一人ひとりのスタッフが最後まで必死に取り組んだからだと思います。当たり前のことですが、私たちの力だけでは工事を成功させることなど不可能です。チームワークが成し遂げた成果ですね。

中瀬:間違いないですね。誰か一人でも抜けたら決していいものはできないと思います。

井野:あとは、今までの経験ですね。それは技術的なことではなく「物事に対する考え方」「仕事との向き合い方」といった部分です。

中瀬:今回、私自身が舞台・ホール等の建設に携わった経験がなかったということもあり、現場では試行錯誤の連続でした。そんな時こそ大事なのが、今までの経験をうまく応用・変換すること。どの現場に入っても、今までの経験・ノウハウを100%活かせる簡単な仕事はありません。何かしらの課題は必ず出てくるものです。そうした時に、どうすれば課題を解決できるのか。解決策そのものではなく、そこに至るプロセスを正確に辿るという意味で“今までの経験”が役立ちましたね。

津市久居アルスプラザ
津市久居アルスプラザ

2020年10月、津市久居アルスプラザは無事にオープンを迎えました。
改めてプロジェクトに参加した感想を聞かせてください。

井野:まず、工事を終えた時の率直な感想として、真っ先に感じたのが安堵感です。もちろん達成感もありますが、それ以上に大変さが上回った現場でした。そのため「ようやく終わった」という気持ちが先行しましたね。

中瀬:わかります。それと同時に、私は感慨深い思いも込み上げてきました。事前に設計図面を見ていたので、頭の中で完成後の施設の姿は想像できていましたが、改めて「こんな風になるのか」という感動と驚きですね。

井野:確かに。完成した建物を見ると、また違う思いが込み上げてくるよね。今回の工事は、私が現場代理人として今まで携わったプロジェクトの中でも大きな案件です。実感はこれから徐々に湧いてくると思いますが、きっと思い出深い仕事のひとつになると思います。

中瀬:事務所や倉庫などの建物とは違って、その地域のシンボルや目印となるような建物に携われることの喜びは大きいですよね。

井野:それこそ今後、同様の大規模ホールが新たに建設されるかどうかはわかりません。「長く地域に残っていく仕事」は、やりがいにもモチベーションにもなります。

中瀬:改めて振り返ると、規模や難易度などを含めて自分史上もっとも苦労した工事でした。そのぶん、今回のプロジェクトを通して得た経験値は非常に大きく、今後どんなプロジェクトでも自信を持って取り組めるはずです。これ以上、大変な現場はないと思いますから(笑)。

井野:私も若手時代から大変だと感じるような現場をいくつも経験してきました。それでも今回の案件は大変だったと感じるぐらいです。ただ、今回私たちと一緒に参加した若手・中堅社員にとって、そうした大変な思いを早くから経験できたことは大きな財産になったと思います。ともに切磋琢磨しながら、今後も高品質な建物を手がけていきたいと思います。

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